ATR移動平均線インジケーターは、ATRと、そのATR値に対する移動平均線をMT5のサブウィンドウへ表示する無料インジケーターです。
現在のATRが平均的なATR水準より高いか低いかを、2本のラインで比較できます。値動きの方向を当てるためではなく、ボラティリティの相対的な大きさを整理するために使います。
製品ページでは、MT5版EX5の無料ダウンロード、正式パラメーター、利用条件を確認できます。
ATR移動平均線インジケーターとは
ATR移動平均線インジケーターは、MT5標準のATRを使い、現在チャートのシンボルと時間足に対するATRを表示します。
さらに、そのATR値へ移動平均を適用したATR MAを重ねます。通常の価格移動平均線ではなく、ATRの平均水準を見るためのラインです。
初期設定は次の通りです。
| 項目 |
初期値 |
意味 |
| ATR期間 |
14 |
ATRの計算期間 |
| ATR移動平均期間 |
200 |
ATR値へ適用する移動平均期間 |
| 移動平均の種類 |
MODE_SMA |
ATR MAの平均方式 |
| ATRライン色 |
clrOrangeRed |
ATRラインの色 |
| ATR移動平均ライン色 |
clrDodgerBlue |
ATR MAラインの色 |
チャート上の短縮名は、初期設定ではATR移動平均線 ATR(14) MA(200)です。
このガイドで確認できること
このガイドでは、次を順番に確認します。
- ATRとATR MAの違い
- 価格の移動平均線との違い
- ATRがATR MAより上または下にある場合の見方
- ATR期間14とATR MA期間200の考え方
- SMA、EMA、SMMA、LWMAの違い
- 表示されない場合の確認順
- 売買サインではないこと
ATR MAとのクロスは、買い・売りのサインではありません。ボラティリティ水準が変化している可能性を確認する材料として扱ってください。
ATR移動平均線は、ATRそのものに平均線を重ねるため、通常の価格移動平均とは見方が異なります。ここでは、初心者が迷いやすいポイントを先に会話で整理します。
ATRに移動平均線を重ねると、普通の移動平均線とは何が違うんですか?
普通の移動平均線は価格に対して計算しますが、ATR MAはATR値そのものに移動平均をかけたラインです。
価格の方向ではなく、値動きの大きさが普段より高いか低いかを比較するために使います。
ATRがATR MAより上にあると、買い方向という意味ですか?
いいえ。ATRは方向を示しません。
上にある場合は、現在のATRが平均的なATR水準より高い状態として確認できるだけです。
ATRが下がっているなら、相場も下がっているということですか?
それも違います。ATR低下は値動きの幅が小さくなっている可能性を示すもので、価格の下落を示すものではありません。
上昇相場でもATRが下がることはありますし、下落相場でATRが上がることもあります。
ATRがATR MAより下にあるときは、どう見ればいいですか?
現在のATRが平均的なATR水準より低い状態として見ます。
値動きが落ち着いている可能性はありますが、これも売りサインや下落予測ではありません。
初期設定のATR14とMA200は、どう見ればよいですか?
ATR14は比較的短い期間の値動きの大きさを見る設定です。
MA200はATRの長めの平均水準を見るための基準線として使えます。最適値を断定するものではないので、時間足に合わせて検証してください。
SMA以外のEMAやSMMAに変えると、何が変わりますか?
ATR MAの反応速度が変わります。EMAやLWMAは比較的直近の変化へ反応しやすく、SMAやSMMAは落ち着いた見え方になりやすいです。
ただし、どれが必ず有利というものではありません。
絶対値の単純比較は避けてください。銘柄、価格桁、時間足が変わるとATR水準も変わります。
同じ銘柄・同じ時間足の中で、過去の平均と比べる見方が基本です。
M15とH1のATRをそのまま比べてもいいですか?
時間足が変わるとATR水準も変わるため、そのまま絶対値で比べないほうが安全です。
同じ時間足の中でATRとATR MAの位置関係を見ると、相対的な水準を整理しやすくなります。
ATR MAがすぐに表示されないことがあるのはなぜですか?
初期値ではATR期間14とATR MA期間200を合わせた本数を超える履歴が必要です。
おおむね214本を超える履歴が目安ですが、ブローカーの履歴取得や計算状態にも左右されます。
できません。売買サイン、アラート、自動売買は搭載していません。
ATRとATR MAはボラティリティ水準を確認するための分析材料として使ってください。
ここからは、会話で登場したATR、ATR MA、期間設定、表示トラブルの確認順を本文で詳しく整理します。
ATRとは
ATRは、一定期間の価格変動幅をもとに、値動きの大きさを確認するための指標です。
ATRが上昇している場合は、直近の値動きの幅が大きくなっている可能性があります。ATRが低下している場合は、値動きの幅が小さくなっている可能性があります。
ただし、ATRは相場方向を示しません。ATRが上昇していても価格が上がるとは限らず、ATRが低下していても価格が下がるとは限りません。
ATR MAとは
ATR MAは、ATR値そのものに移動平均を適用したラインです。
ATR移動平均線インジケーターでは、MQL5標準のiATRでATRを取得し、そのATRハンドルを入力としてMQL5標準のiMAを使います。
つまり、ATR MAは終値や高値・安値などの価格系列の移動平均線ではありません。ATRの平均的な水準を見るためのラインです。
通常の価格移動平均線との違い
通常の移動平均線は価格に対して計算されます。価格が移動平均線より上にあるか下にあるかを見ることで、価格の位置関係を整理します。
一方、ATR MAはATRに対して計算されます。確認するのは価格の方向ではなく、値動きの大きさが平均的なATR水準より高いか低いかです。
この違いを混同すると、「ATRがATR MAを上抜けたら買い」と誤解しやすくなります。ATRのクロスは売買方向を示すものではありません。
MT5へのインストール方法
製品ページからATR_with_MA.ex5をダウンロードし、MT5のデータフォルダ内にあるMQL5/Indicatorsへ配置します。
配置後は、MT5を再起動するか、ナビゲーターを更新してください。
チャートへの適用方法
ナビゲーターからATR Moving Averageをチャートへドラッグします。
適用すると、チャート下部のサブウィンドウにATRとATR MAの2本が表示されます。ラインがすぐに表示されない場合は、履歴本数や期間設定を確認してください。
サブウィンドウの見方
ATRラインは現在のATRを表します。ATR MAラインは、ATRの平均的な水準を表します。
初期設定では、ATRラインがOrangeRed、ATR MAラインがDodgerBlueです。線幅はATRが1、ATR MAが2です。線幅を変更する入力パラメーターはありません。
ATRがATR MAより上の場合
ATRがATR MAより上にある場合、現在のATRが設定期間の平均的なATR水準より高い状態として確認できます。
最近の値動きが、長期的な平均と比べて大きくなっている可能性があります。ただし、価格が上がるという意味ではありません。
ATRがATR MAより下の場合
ATRがATR MAより下にある場合、現在のATRが設定期間の平均的なATR水準より低い状態として確認できます。
最近の値動きが、長期的な平均と比べて小さくなっている可能性があります。ただし、価格が下がるという意味ではありません。
ATRとATR MAが上昇している場合
ATRとATR MAがともに上昇している場合、短期的な変動幅だけでなく、平均的なATR水準も高まりつつある状態として確認できます。
強い方向性を保証するものではないため、ローソク足、価格帯、時間帯、ほかの分析とあわせて見てください。
ATRとATR MAが低下している場合
ATRとATR MAがともに低下している場合、短期的な変動幅と平均的なATR水準がともに落ち着いている状態として確認できます。
低ボラティリティ状態が続いたあとに値動きが変化することもありますが、将来の拡大を予測する機能ではありません。
クロスの見方
ATRがATR MAを上抜ける場合、ボラティリティ水準が平均より高くなった可能性があります。
ATRがATR MAを下抜ける場合、ボラティリティ水準が平均より低くなった可能性があります。
どちらも買い・売りのサインではありません。クロスは値動きの大きさの変化を確認する目安です。
ATR期間の設定
ATR期間は、ATRの計算期間です。初期値は14です。
期間を短くすると直近の変化へ反応しやすくなりますが、細かな変動にも影響を受けやすくなります。期間を長くすると滑らかになりやすい一方、反応は遅くなります。
0以下の値を設定すると、インジケーターは起動しません。
ATR MA期間の設定
ATR MA期間は、ATR値へ適用する移動平均線の期間です。初期値は200です。
長めの期間を使うことで、現在のATRが平均的なATR水準より高いか低いかを確認しやすくなります。ただし、長い期間では表示開始まで多くの履歴が必要です。
0以下の値を設定すると、インジケーターは起動しません。
SMA / EMA / SMMA / LWMA
移動平均方式は、MQL5標準のENUM_MA_METHODに従います。
| 方式 |
概要 |
| MODE_SMA |
単純移動平均。初期値です。 |
| MODE_EMA |
指数移動平均。直近の変化へ反応しやすい方式です。 |
| MODE_SMMA |
平滑移動平均。比較的なだらかな見え方になりやすい方式です。 |
| MODE_LWMA |
線形加重移動平均。直近値を重視しやすい方式です。 |
どの方式が常に最適というものではありません。時間足、銘柄、確認したいボラティリティ変化に合わせて比較してください。
ライン色の変更
ATRライン色とATR移動平均ライン色は変更できます。
チャート背景やサブウィンドウの配色に近い色を選ぶと見づらくなる場合があります。まず初期色で確認し、必要な場合だけ調整してください。
初期設定ATR14・MA200の意味
ATR14は、比較的短い期間の値動きの大きさを見る設定です。
ATR MA200は、長めの平均的なATR水準を見るための基準線として使えます。
ただし、ATR14とMA200がすべての銘柄・時間足で最適という意味ではありません。短期足では変化が細かくなりやすく、D1などでは確認する期間が長くなります。
時間足ごとの使い方
M5やM15では、短期的なボラティリティ変化を確認しやすい一方、ノイズも多くなりやすいです。
H1やH4では、比較的まとまった値動きの変化を確認しやすくなります。D1では、日単位の値幅変化を見る材料として使えます。
通貨ペアごとの注意
ATRの絶対値は、通貨ペア、価格桁、時間足によって異なります。
異なる通貨ペア同士でATRの数値だけを単純比較しないでください。同じ銘柄・同じ時間足の中で、過去の平均水準と比較する見方が基本です。
表示されない場合
表示されない場合は、次の順番で確認してください。
ATR_with_MA.ex5をMQL5/Indicatorsへ配置しているか
- MT5を再起動するか、ナビゲーターを更新したか
- チャートへインジケーターを適用したか
- ATR期間またはATR MA期間が0以下になっていないか
- チャートの履歴本数が不足していないか
- 別時間足へ切り替えて履歴を読み込めるか
- インジケーターを再適用して表示されるか
履歴データ不足
ソースでは、rates_total > ATR期間 + ATR移動平均期間の条件を満たしてから計算を開始します。
初期値では、少なくとも概ね214本を超える履歴が必要です。ただし、ブローカーのデータ取得状況やインジケーターハンドルの計算状態にも依存するため、必ず214本で表示されるとは断定できません。
利用上の注意
ATR移動平均線インジケーターは、ボラティリティ水準を確認するための分析補助です。
次の機能は搭載していません。
- 売買サイン
- アラート
- プッシュ通知
- メール通知
- 自動売買
- MTF表示
- ATR比率やATR倍率の表示
- クロス矢印やクロス履歴
表示されたATRやATR MAは、将来の価格変動や利益を保証しません。
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ダウンロード
MT5版EX5はATR移動平均線インジケーター製品ページから無料でダウンロードできます。
利用条件と免責事項を確認し、ATRが売買方向を示すものではないことを理解したうえで使用してください。